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再建築不可物件の査定額・相場|提示価格が適正か判断する方法

再建築不可物件の査定額・相場 新着記事

再建築不可物件の査定では、「通常物件の何割くらいになるのか」が気になるところだと思います。

ただ、実際の査定額は物件ごとの差が大きく、一律の割合だけで判断できるものではありません。

同じ再建築不可物件でも、接道状況、建物の状態、立地、その後どのように利用できるのかによって評価は変わります。

大切なのは、提示された金額そのものよりも、「なぜこの価格になったのか」が分かることです。

査定額の理由が分かれば、その価格が安すぎるのか、それとも物件の条件を踏まえた妥当な金額なのかを判断しやすくなります。

この記事では、再建築不可物件特有の査定要因に絞って整理します。

再建築不可物件の査定額は「通常物件の何割」だけでは決まらない

再建築不可物件の査定額・相場2

再建築不可物件は、再建築できる物件に比べて価格が下がる傾向があります。

ただし、「通常物件の何割」と決められた基準があるわけではありません。

実際には、その物件が抱えている制約と、現在の建物や土地を今後どのように利用できるのかを踏まえて査定する必要があります。

「通常物件の何割」という数字はあくまで目安

再建築不可物件は、一般的に再建築できる物件より価格が下がりやすいものの、通常物件に対して一律に何割と決まっているわけではありません。

接道状況、立地、建物の状態、今後の利用方法によって査定額は変わるため、「何割か」という数字だけで査定額の良し悪しを判断しないことが大切です。

例えば、同じ地域にある再建築不可物件でも、現在の建物をそのまま利用できる物件と、大規模な修繕が必要な物件では評価は同じになりません。

まず見るべきなのは、自分の物件で何が価格を下げる要因になっているのかという点です。

再建築不可物件全体の特徴については、再建築不可物件の基本・活用・売却方法で詳しく整理しています。

査定額・売出価格・成約価格を分けて考える

「査定額」と書かれていても、その数字が必ずそのまま売却できる価格を意味するわけではありません。

仲介査定では、不動産会社が市場へ売り出した場合にどの程度で売れそうかを予測します。

一方、買取査定では、不動産会社や買取業者自身がいくらなら購入できるかを提示します。

同じ「査定額」という言葉でも、仲介と買取では数字の意味が違います。

また、売出価格は売主が市場へ出す価格であり、最終的に売買契約が成立した成約価格とも別です。

仲介査定と買取価格、売出価格、成約価格を同じものとして横並びにしないことが大切です。

再建築不可物件の査定額を左右する7つの要因

再建築不可物件の査定額・相場3

再建築不可だからといって、すべての物件が同じ割合で減額されるわけではありません。

査定では、なぜ再建築できないのかという原因に加え、現在の建物や土地を今後どのように利用できるのかまで評価されます。

特に接道条件と、将来的に再建築できる状態へ改善できる可能性は、価格に大きく影響する部分です。

再建築できない理由と接道状況

最初に押さえておきたいのは、その物件がなぜ再建築できないのかという点です。

都市計画区域や準都市計画区域では、建物の敷地と道路との関係に基準があり、道路へ接している長さや、前面道路が建築基準法上どのように扱われているかによって状況が変わります。

見た目では道路に接していても、その道が建築基準法上の道路とは限りません。

間口が足りないのか、前面道路そのものに問題があるのか、無接道なのかによって、買主が考える利用方法も変わります。

「再建築不可」という結果だけを見るのではなく、なぜ再建築できないのかまで査定材料として見られているかが重要です。

再建築できる状態へ改善できる可能性

現在の状態では再建築できなくても、条件を整えることで扱いが変わる物件があります。

例えば、隣地の一部を取得して接道条件を満たせる場合や、接道義務そのものを満たしていなくても、建築基準法43条2項による認定または許可を検討できるケースがあります。

再建築できる可能性が残っていれば、土地の利用方法が広がるため、査定上の評価が変わることがあります。

ただし、隣地を取得できるかどうかは相手との交渉次第ですし、43条2項もすべての土地で認められる制度ではありません。

可能性があることと、実際に再建築できることは別なので、必要に応じて自治体などへ個別に確認する必要があります。

建物をこのまま利用できるか

再建築不可物件では、新しい建物を建てられない分、現在ある建物をどの程度使えるのかが査定に大きく関わります。

建物の状態が良ければ、そのまま居住したり、修繕を加えて賃貸したりできる可能性があります。

反対に、老朽化が進み、大規模な修繕が必要であれば、その費用を買主側が見込まなければなりません。

査定で大切なのは単に「築年数が古いか」ではなく、「現在の建物をあとどの程度利用できるか」です。

同じ築年数でも、管理状態や修繕履歴によって建物の評価が変わる場合があります。

立地と賃貸・購入需要

再建築不可だからといって、その物件を欲しい人がまったくいなくなるわけではありません。

駅から近い、生活利便性が高い、賃貸需要があるといった地域であれば、現在の建物を利用する前提で一定の需要が残ることがあります。

再建築できないことと、その不動産に利用価値がないことは同じではありません。

反対に、立地が悪く、居住や賃貸の需要も少ない地域では、再建築不可という制約がより大きく価格へ影響する場合があります。

接道条件だけでなく、「今の状態でも使いたい人がいる場所なのか」という需要も査定材料になります。

土地の形状・面積・高低差

再建築不可という問題とは別に、土地そのものの使いやすさも査定額に影響します。

間口が狭い、不整形で使いにくい、敷地が極端に小さいといった土地では、利用方法が限られる場合があります。

また、擁壁や大きな高低差があれば、将来の補修や工事に費用がかかる可能性もあります。

再建築不可という条件だけでなく、土地そのものがどの程度使いやすいかも価格に関わります。

同じ接道条件でも、土地の形や面積によって買主が考えられる利用方法は変わります。

私道・境界・越境などの条件

再建築不可物件では、接道以外にも道路や隣地との権利関係が複雑になっていることがあります。

例えば、私道持分を持っているか、通行や掘削についてどのような権利があるのか、境界が確定しているか、建物や塀の越境がないかといった問題です。

こうした権利関係が整理されていなければ、買主側の負担やリスクが増えるため、査定額へ影響する場合があります。

接道以外の問題まで、すべて「再建築不可だから安い」と一括りにしないことが大切です。

買主がどのように利用できるか

最終的な査定額は、買主がその物件を購入した後に、どのように利用できると考えているかでも変わります。

現在の建物をそのまま利用する、修繕して賃貸する、投資家へ再販する、隣地と一体で利用するなど、再建築不可物件にもいくつかの出口があります。

同じ物件でも、今ある建物を直して使えると考える買主と、土地としてしか評価しない買主では、出せる価格が同じとは限りません。

私は、査定額に大きな差が出たときには、金額だけではなく「買った後、この物件をどのように使う予定なのか」まで聞いてみる価値があると思います。

会社ごとに査定額が違う理由の一つは、取得後に考えている使い方が違うからです。

提示された査定額が適正かを確認する4つの手順

再建築不可物件の査定額・相場4

提示された査定額が適正かを考えるときは、金額だけを見るのではなく、その基準となる周辺相場、減額された理由、売却条件まで整理する必要があります。

同じ物件について複数の査定を取る場合も、条件をそろえて比べれば、なぜ価格差が出ているのかが分かりやすくなります。

周辺の通常物件相場を比較の出発点にする

まず、同じ地域にある土地や戸建てが、実際にどの程度で取引されているのかを一つの基準にします。

国土交通省の不動産情報ライブラリでも実際の取引価格を調べられますが、近所で売れた物件だからといって、自分の物件も同じ価格になるわけではありません。

面積、道路条件、土地の形、建物の状態などを見ながら、自分の物件とどの程度条件が近いのかを考える必要があります。

路線価や固定資産税評価額だけから、そのまま売却価格を計算しないようにしてください。

同じ条件で2~3社へ査定を依頼する

1社だけの査定では、その金額が市場全体の見方なのか、その会社独自の評価なのかが分かりにくいことがあります。

そこで、最初は2~3社程度へ同じ物件情報を伝え、査定を受けます。

仲介査定なら仲介査定同士、買取価格なら買取価格同士というように、同じ種類・同じ物件状態で比べることが大切です。

一方の会社には越境や雨漏りを伝え、別の会社には伝えていないという状態では、査定額そのものを公平に比べられません。

各社へ同じ資料と事情を伝えておけば、金額に差が出たときにも理由を整理しやすくなります。

一括査定を利用するときの注意点については、不動産一括査定で査定額に差が出る理由でも説明しています。

減額された理由を項目ごとに聞く

査定額を見るときは、いくらになったかだけでなく、なぜその価格まで下がったのかも知っておきたいところです。

「再建築不可だから安いです」という説明だけでは、何が価格へ影響しているのか分かりません。

接道の問題なのか、建物の修繕費なのか、その地域での需要なのか、私道や権利関係なのかによって意味は変わります。

どの部分を評価し、どの条件を理由に減額しているのかまで説明してもらうと、他社の査定とも比べやすくなります。

査定額だけでなく売却条件まで比べる

査定額が高くても、売主が負担する費用や契約条件によって、最終的な手取りが変わることがあります。

例えば、測量や境界確定、残置物処分などを売主側で負担する条件なら、その費用は実質的に売却代金から出すことになります。

契約後に価格が変わる可能性があるのか、売却までにどの費用を誰が負担するのかまで含めて見てください。

最終的には、最初に提示された査定額ではなく、実際の契約条件と手元に残る金額で比べます。

実際にどの買取会社へ相談するか迷っている場合は、再建築不可物件に対応する買取業者3社の特徴と選び方も参考にしてください。

査定前に費用をかける必要があるか確認する

再建築不可物件の査定額・相場5

少しでも高く売りたいからといって、査定を受ける前に解体やリフォーム、接道改善へ費用をかける必要はありません。

再建築不可物件では、費用をかけても、その分だけ売却価格が上がるとは限らないからです。

まず現状で査定を受け、その作業をした場合に価格や条件がどの程度変わるのかを見てからでも遅くありません。

査定前に安易に解体しない

再建築不可物件では、現在建っている建物を利用できること自体が価値になっている場合があります。

再建築の可能性を調べないまま先に建物を解体すると、新しい建物を建てられない土地だけが残る可能性があります。

建物を残した状態なら、買主が修繕して居住や賃貸に使えるケースでも、解体してしまえばその選択肢はなくなります。

再建築の可否や現況での売却価格が分からないまま、先に建物を壊さないようにしてください。

リフォームしてから査定する必要はない

建物の状態が査定額へ影響することはありますが、売却前にリフォームしたからといって、かけた費用をそのまま売却価格へ上乗せできるとは限りません。

買主によっては、自分の使い方に合わせて改修したいと考えることもあります。

まず現在の状態で査定を受け、リフォームした場合に査定額がどの程度変わるのかを知ってから判断した方が安全です。

現況のまま売れるのであれば、所有者が先に費用を負担せずに済む場合もあります。

接道改善も費用対効果を確認してから進める

隣地の一部を取得するなどして接道条件を改善できれば、再建築できる可能性が高まり、物件の評価が変わる場合があります。

ただし、隣地との交渉には時間がかかることがあり、土地の取得費用や測量、登記などの費用が発生する可能性もあります。

条件を改善して査定額が上がっても、そのためにかかった費用の方が大きければ、売主にとって有利とは限りません。

改善後に想定される売却価格と、そこまでに必要な費用や時間を比べてから進めてください。

机上査定だけでは分かりにくい部分がある

まだ売却すると決めていない段階であれば、所在地や面積などをもとにした机上査定から、おおよその価格を知ることはできます。

ただし、再建築不可物件は道路や接道、建物の状態など現地でなければ分かりにくい部分が多いため、具体的な売却価格を考える段階では現地調査が必要になることがあります。

最初の価格確認は机上査定でもよい

所在地、面積、築年数などの情報から、おおよその査定価格を出してもらうことはできます。

まだ売却するかどうか決めていない段階なら、机上査定は最初の価格感を知る材料として使えます。

ただし、再建築不可物件では、前面道路の種類、実際の接道幅、建物の管理状態などが十分に反映されない場合があります。

机上査定の数字は最終的な売却価格ではなく、あくまで最初の目安として考えてください。

具体的な価格判断には現地・道路調査が必要になる

再建築不可物件の査定では、接道している長さや前面道路の種類など、現地や行政資料を見なければ分からない事項があります。

また、建物の状態、境界、越境、私道の利用状況なども、現地を見ることで初めて分かる場合があります。

売却を具体的に進める段階では、こうした個別事情を反映した査定でなければ、本当の買取条件は分かりにくくなります。

机上査定と訪問査定では、見ている情報の範囲が違うことを理解して使い分けることが大切です。

査定方法そのものの違いについては、机上査定と訪問査定の違いで詳しく説明しています。

高い査定と低い査定は理由まで比較する

再建築不可物件の買取業者3社を比較3

複数の会社へ査定を頼むと、同じ再建築不可物件でも金額に大きな差が出ることがあります。

会社によって物件の見方や、取得後に考えている活用方法が違うためです。

そのため、査定額を高い順に並べるだけではなく、なぜその価格差が生まれているのかを理解することが重要です。

低い査定だから不当とは限らない

他社より査定額が低いからといって、その会社の評価が必ず不当というわけではありません。

建物に大規模な修繕が必要だったり、私道や境界などの権利整理に費用がかかったり、購入できる人が限られていたりすれば、その負担を査定額へ反映する会社もあります。

低い査定を見るときは、「なぜ安いのか」を具体的に説明できるかを見てください。

理由に納得できるのであれば、他社より低いというだけで不適切な査定とは言えません。

高い査定だから有利とも限らない

反対に、他社より高い査定額が出たからといって、その会社が必ず売主にとって有利とは限りません。

仲介査定であれば、その金額で実際に買主が見つかるかという問題があります。

買取でも、契約条件や売主負担の費用によって最終的な手取りが変わる場合があります。

高い査定額だけを見て依頼先を決めず、その価格で本当に契約できるのかまで確認してください。

高い査定にも低い査定にも理由があります。大切なのは、その理由と条件を比べることです。

売却方法そのものを検討したい場合は、再建築不可物件の売却方法と選択肢も確認できます。

再建築不可物件の査定に関するFAQ

再建築不可物件の査定では、「通常物件の何割なのか」「接道を改善すれば価格は上がるのか」など、一般の不動産査定とは少し違う疑問が出てきます。

物件ごとの差が大きいため、ここでも一つの数字だけで判断せず、査定の前提条件まで含めて考えてください。

Q: 再建築不可物件は通常物件の何割くらいになりますか?

A: 再建築不可物件は、再建築できる物件より価格が下がる傾向がありますが、再建築不可物件の査定額に「通常物件の何割」という一律の基準があるわけではありません。
接道状況、立地、建物の状態、今後の利用方法、売却方法などによって価格には大きな幅があります。
割合はあくまで目安として見て、自分の物件では何が価格へ影響しているのかを知ることが大切です。

Q: 路線価から売却価格を計算できますか?

A: 路線価は、実際に市場で売却できる価格そのものではありません。
路線価は、相続税や贈与税の財産評価などに使われる価格であり、個別の物件がいくらで売れるかを直接示すものではありません。
売却相場を考えるときは、実際の取引事例と、自分の物件の接道・立地・建物状態などを合わせて考える必要があります。

Q: 再建築不可でも査定額が高くなることはありますか?

A: 再建築不可だからといって、必ず大幅に安くなるとは限りません。
立地が良い、現在の建物をそのまま利用できる、賃貸需要があるといった物件なら、再建築不可でも一定の評価が残ることがあります。
また、隣地取得などによって接道条件を改善できる可能性や、隣地所有者にとって一体利用する価値が高い場合もあります。
再建築できないという一点だけではなく、その物件を現在どのように使えるかまで含めて査定されます。

Q: 一番高い査定を出した会社へ依頼すればよいですか?

A: 一番高い査定額を出したという理由だけで、その会社へ依頼する必要はありません。
仲介査定であれば、その価格で実際に成約できる可能性を考える必要があります。買取であれば、売主負担の費用や契約後の減額条件まで含めて手取りを見ます。
査定額の高さだけではなく、なぜその価格を出せるのかを説明できる会社かどうかも比べてください。

Q: 査定前に建物をリフォームした方がよいですか?

A: 査定を受ける前に、所有者の判断だけでリフォームする必要はありません。
改修費用をかけても、その費用以上に売却価格が上がるとは限らず、買主側が自分の使い方に合わせて工事をしたい場合もあります。
まず現況のままで査定を取り、リフォームした場合に条件がどの程度変わるのかを知ってから判断すれば十分です。

まとめ|査定額より「なぜその価格なのか」を確認する

再建築不可物件の査定額は、「通常物件の何割」という一律の割合だけでは決まりません。

接道状況、建物の状態、立地、私道や境界などの権利関係、さらに買主が購入後にどのように利用できるのかによって評価は変わります。

そのため、1社の査定額だけを見て高い・安いと決めるのではなく、2~3社へ同じ条件で査定を依頼し、金額に差が出た理由まで説明してもらうことが大切です。

大きく減額されているのであれば、どの条件が価格へ影響しているのかを知る。

反対に高い査定であれば、なぜその金額を出せるのか、その価格で本当に契約できるのかまで見ます。

私は、再建築不可物件の査定では、「いくらだったか」だけを見るより、「なぜその価格なのか」をきちんと説明してもらうことの方が大切だと考えています。

金額と査定根拠、売却条件までそろえて比べれば、自分の物件に提示された価格が妥当なのかを判断しやすくなります。