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相続した実家は仲介か買取か?手取り・期間・家財・建物の状態で判断

実家売却、仲介か買取か-1 共有名義と相続

相続した実家を売るとき、「仲介なら高く売れる」「買取なら早く売れる」と聞くことがあります。

大まかな違いとしては間違っていませんが、それだけで売り方を決めるのは早いです。

築年数や家財の量、いつまでに売りたいのか、遠方の実家へ何度も通えるのかによっても、選ぶ方法は変わります。

仲介と買取は、査定額だけではなく、費用を引いた手取りと売却までに必要な時間・手間を並べて比べます。

相続後の手続きや実家を売るか残すかという段階から考えたい場合は、実家を相続した後の手続きと売却・活用の考え方から確認できます。

相続した実家は仲介と買取のどちらかを最初から決めなくてよい

売却相談をした時点で、仲介か買取のどちらか一方に決める必要はありません。

まず実家の状態を見てもらい、仲介ならどのくらいの価格で成約を見込めるのか、買取ならいくらで買ってもらえるのかを出してもらいます。

両方の数字が分かれば、価格差と引き換えにどのくらい時間や手間を減らせるのかも見えてきます。

仲介は不動産会社に買主を探してもらう

仲介では、不動産会社と媒介契約を結び、一般の購入希望者などから買主を探します。

広告を出して内覧を行い、購入申込みが入れば、価格や引渡し条件を調整して売買契約へ進むのが一般的な流れです。

市場へ広く売り出せるため、一般の買主から評価される実家であれば、買取より高い価格で成約する可能性があります。

ただし、不動産会社が出した査定額は、その金額で売れることを保証するものではありません。

買取は不動産会社自身へ直接売る

買取では、不動産会社や買取会社自身が買主になります。

一般の購入希望者を探す販売期間がないため、提示された価格と契約条件に納得できれば、売却日程を組みやすいのが仲介との違いです。

一方、買取会社は購入した不動産をそのまま保有するとは限らず、修繕や解体、再販売などにかかる費用や事業上のリスクも考えて買取価格を出します。

そのため、一般には仲介で市場へ売る場合より買取価格が低くなる傾向があります。

仲介と買取は6つの項目を同じ条件で比べる

仲介と買取、6項目を比較-2

「仲介はいくら、買取はいくら」という金額だけを見ても、どちらが自分に合うのかは分かりません。

相続した実家では、売却までに家財整理や現地対応が必要になることもありますし、建物の状態によっては修繕や解体の話が出てくることもあります。

査定額とあわせて、売却までの期間、必要な費用、売主側の手間まで並べてみると、それぞれの違いが分かりやすくなります。

比較項目 仲介 買取
買主 一般の個人・法人など 不動産会社・買取会社
価格 市場で買主を探すため高値を狙いやすい 再販売費用などが反映され低くなりやすい
期間 買主が見つかる時期に左右される 条件が合えば日程を決めやすい
内覧 購入希望者の内覧対応が必要になることが多い 一般向けの内覧を何度も行う必要は通常ない
家財・修繕 販売方法に応じて対応が必要になる場合がある 現況のまま買う会社もあるが条件は会社ごとに異なる
仲介手数料 媒介で成約すれば通常発生する 買取会社との直接売買なら仲介手数料は通常発生しない

売却価格

建物の状態が良く、一般の買主から需要が見込める実家なら、仲介で市場へ出す意味があります。

一方、築年数が古かったり、立地に特殊な事情があったり、大きな修繕費が見込まれたりする実家では、仲介会社の査定額どおりに買主が現れるとは限りません。

仲介では「査定額」だけを見るのではなく、「実際にどのくらいの価格なら成約を見込めるのか」まで聞いておきたいところです。

売却までの期間

仲介は、購入希望者が現れて初めて契約へ進むため、売却までにかかる期間を最初から正確に決めることはできません。

売り出してすぐに決まる物件もありますが、反応を見ながら価格を見直し、長く販売する物件もあります。

これに対して買取は一般の買主を探す期間がないため、価格と条件がまとまれば決済時期を組みやすくなります。

相続人同士で換金する時期を決めている場合や、遠方の実家を早めに手放したい場合は、査定額だけでなく、実際に代金を受け取れる時期まで見ておく必要があります。

家財と片付け

仲介で一般の買主を探す場合は、室内をある程度見てもらえる状態にした方が販売しやすくなります。

すべての家財を空にしなければ売れないわけではありませんが、物が多すぎると、内覧した人が部屋の広さや建物の状態を判断しにくくなることがあります。

一方、買取会社の中には、家財や残置物を残した状態でも査定し、そのまま買い取る会社があります。

先に処分費をかけるのではなく、家財を残した場合と片付けた場合で売却条件がどの程度変わるのかを見てから動けば十分です。

実家がゴミ屋敷に近い状態なら、ゴミ屋敷状態の実家を売却する場合の考え方で片付けと売却の順番を確認できます。

建物の古さや不具合

築年数が古くても、そのまま住める状態で、地域に住宅需要があれば、仲介で一般の買主を探せる可能性があります。

反対に、雨漏りや傾きがある、大きな修繕が必要といった状態では、購入後の修繕費まで考えなければならず、一般の買主が購入をためらうことがあります。

だからといって、売る前に建物を直すと先に決める必要はありません。

修繕費をかける前に、今の状態で仲介した場合の成約見込みと、買取ならいくらになるのかを先に把握しておきたいところです。

売却にかかる費用

仲介では、不動産会社の媒介によって売買契約が成立すると、仲介手数料が発生するのが一般的です。

一方、不動産会社が直接買主になる買取では、間に別の仲介会社が入らなければ、通常は仲介手数料が発生しません。

ただ、仲介手数料があるかないかだけで、どちらが有利なのかは決まりません。

測量、家財処分、修繕、解体などが必要になる場合には、誰がその費用を負担する契約なのかまで含めて、最終的に手元へ残る金額で考えます。

売却後の責任と契約条件

中古住宅では、雨漏りや設備の不具合などを売却後にどのように扱うのかも大切です。

仲介か買取かという売り方だけで、契約不適合責任の有無が自動的に決まるわけではありません。

買取では、売主の契約不適合責任を免除する特約を提示する会社もありますが、免責される範囲は契約ごとに違います。

「現況渡し」と書いてあるだけで売却後の責任がすべてなくなるとは考えず、契約書の免責範囲まで読んでおく必要があります。

また、売主が把握している雨漏りなどの不具合は、契約前に買主へ伝えておきます。

契約不適合責任を免除する特約があったとしても、売主が知っていながら買主へ告げなかった事実については、責任を免れない場合があります。

仲介が候補になりやすい実家

仲介が合いやすいのは、一般の購入希望者がその家や土地を使う姿を想像しやすい物件です。

築年数だけで決めるのではなく、立地、建物の状態、土地の需要に加えて、売主側がどのくらい販売期間を取れるのかも合わせて考えます。

実家・売主の状況 仲介を考えやすい理由
建物をそのまま利用できる 自宅として購入する買主を探しやすい
住宅需要のある地域 市場へ広く売り出す意味がある
売却を急いでいない 購入希望者を待つ時間を取れる
内覧に対応できる 一般の買主へ物件を見てもらいやすい
価格を重視したい 市場で買主を探す余地を残せる

こうした条件がそろっているなら、最初から買取だけに絞る必要はありません。

仲介でどのくらいの価格なら成約を見込めるのかを把握したうえで、買取価格と並べて考えても遅くはありません。

買取が候補になりやすい実家

買取が候補になるのは、単に「古い家だから」という理由だけではありません。

売却期限が短い、家財が多く残っている、遠方に住んでいて内覧のたびに通うのが難しいなど、売主側の事情が重なるほど、仲介だけでなく買取も選択肢に入ってきます。

実家・売主の状況 買取を考えやすい理由
早く売却したい 買主を探す販売期間を省ける
遠方で何度も通えない 内覧などの現地対応を減らせる場合がある
家財が多く残っている 現況買取できる会社なら先に処分せずに済む場合がある
建物の傷みが大きい 修繕を前提とせず査定できる会社がある
一般の買主が見つかりにくい 買取後の再生・活用を考える会社へ直接売れる

田舎の実家など、地域によって一般の住宅需要が少ない場合は、価格だけでなく、その地域を実際に扱える買取会社なのかも関係してきます。

その場合は、田舎の実家を買い取る業者を選ぶときの注意点も確認できます。

査定額ではなく最終的な手取りで比べる

査定額ではなく手取りを比較-3

仲介と買取を比べると、どうしても最初は提示された価格の差に目が向きます。

例えば、仲介査定が2,000万円、買取が1,700万円なら、一見すると300万円の差があるように見えます。

しかし、仲介では査定額と実際の成約価格が同じとは限らず、仲介手数料や売却までの維持費がかかることもあります。

買取でも、家財処分や測量などを売主負担とする条件であれば、その費用を差し引かなければ本当の手取りは分かりません。

比べるのは「査定額」ではなく、その条件で売ったときに最終的にいくら残るのかです。

査定を受けるときは、金額だけでなく、売主側が負担する費用も書面で出してもらうと、条件の違いを整理しやすくなります。

片付けやリフォームをする前に両方の価格を取る

片付け前の和室を査定する二人-4

仲介で売るつもりだからといって、査定を受ける前に家財処分やリフォームを始める必要はありません。

例えば100万円をかけて直したとしても、売却価格がそれ以上上がるとは限らないからです。

一方、買取なら、修繕や片付けをしなくても現在の状態で査定できる場合があります。

費用をかける前に、「現況の仲介成約見込み」と「現況の買取価格」を出してもらうのが先です。

その数字が分かってから、片付けや修繕に費用をかければ仲介でどの程度条件が良くなるのかを検討しても十分間に合います。

仲介で売れなければ途中から買取へ切り替える方法もある

売却期限を相談する不動産面談-5

仲介と買取は、一度どちらかを選んだら最後まで変更できないものではありません。

売却を急いでいなければ、一定期間は仲介で買主を探し、その反応を見ながら価格や販売方法を見直す方法があります。

それでも売却の見通しが立たず、期限を優先したくなった段階で、改めて買取価格を取ることもできます。

反対に、最初から売却期限が決まっているなら、長く仲介を続けた後で慌てて買取へ切り替えるより、最初から両方の価格を知っておいた方が予定を立てやすくなります。

「いつまで仲介で売るか」を先に決めておくと、売れないまま時間だけが過ぎる状態を避けやすくなります。

相続した実家の仲介と買取についてよくある質問

相続した実家を仲介と買取のどちらで売るか考えると、価格だけでなく、売却までの期間、家財、建物の状態、売った後の責任などでも迷うことがあります。

ここでは、実際に売り方を考える際に出やすい疑問をまとめます。

Q: 仲介なら必ず買取より高く売れますか?

A: 必ずではありません。
仲介では市場へ広く売り出せますが、査定額どおりの価格で買主が見つかるとは限らず、販売途中で価格を下げて成約する場合もあります。

そのため、仲介の査定額と買取価格をそのまま比べるのではなく、仲介なら実際にどのくらいで成約を見込めるのか、そこから費用を引くといくら残るのかまで考えます。

Q: 買取なら必ずすぐに売れますか?

A: 必ずではありません。
一般の買主を探す期間はありませんが、権利関係や境界、建物の状態などによっては、契約前の調査に時間がかかる物件もあります。

売却時期を重視する場合は、「いつ契約できるか」だけではなく、「いつ決済して代金を受け取れるのか」まで把握しておきたいところです。

Q: 家財を全部片付けてから査定した方がよいですか?

A: 査定前に全部処分する必要はありません。
まず現在の状態で査定を受け、家財を残したまま売る場合と、撤去してから売る場合で、価格や条件がどの程度変わるのかを見てから片付けても遅くありません。

Q: 古い実家なら最初から買取の方がよいですか?

A: 築年数だけでは決まりません。
建物がそのまま利用でき、一般の買主から需要が見込める地域なら、築年数が古くても仲介で売れる場合があります。

建物の状態と土地の需要を見たうえで、仲介した場合の成約見込みと買取価格の両方を知ってから選ぶ方が分かりやすいでしょう。

Q: 買取では仲介手数料がかかりませんか?

A: 買取会社が直接買主となり、間に仲介会社が入らない売買なら、通常は仲介手数料は発生しません。
ただし、別の不動産会社が媒介して買取会社へ売る形であれば、契約内容によって仲介手数料が発生します。

Q: 買取なら売却後の責任はすべてなくなりますか?

A: 自動的になくなるわけではありません。
契約不適合責任を免除する特約を設ける買取契約もありますが、どこまで免責されるのかは契約書の内容によって違います。

また、売主が把握している雨漏りなどの不具合は、買取であっても契約前に買主へ伝えておいた方がよいでしょう。
免責特約があっても、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れません。

まとめ|仲介と買取は価格だけで決めない

相続した実家は、仲介と買取のどちらかが常に正解というわけではありません。

一般の買主へ売れる状態なのか、いつまでに売りたいのか、家財や内覧にどこまで対応できるのかによって、合う売り方は変わります。

まず、現在の状態で仲介した場合にどのくらいの価格で成約を見込めるのかと、買取会社が直接買う場合の価格を出してもらいます。

価格、売却時期、売主負担の費用、片付け、契約条件を並べて、最終的な手取りと手間で決めます。

その結果、買取を選ぶことになったら、次は会社ごとの対応物件や査定条件を見る段階です。

訳あり不動産の買取会社3社を比較した記事で、対応範囲や売却条件の違いを確認できます。