記事内にプロモーションが含まれています。

古家付き土地 売却|現況渡し/解体費用/特約まで完全ガイド

古家付き土地 売却 売りにくい物件
古家付きの土地を売るとき、「トラブル」「現況渡し」「解体費用」で迷う方は多いです。
この記事では、33年の実務経験をもとに、これら3つをひとつの流れで整理しました。
読了後には「自分はどの方法が最適か」が自然と判断できる構成になっています。

はじめに|古家付き土地の売却で失敗を防ぐ3つの鍵

古家付き土地の売却は、通常の土地取引よりも注意点が多く、現況・費用・契約リスクの3点を正しく理解することが重要です。

  • ✔ 現況を把握してトラブルを防ぐ
  • ✔ 現況渡しか更地渡しかを決める
  • ✔ 解体費用の相場と負担を把握する

古家付き土地とは?仕組みと誤解されやすいポイント

古家付き土地 売却1

「古家付き土地」という言葉を聞いたことはありますか?

一見すると「古い家が建っている土地」という意味に聞こえますが、実はそれ以上に取引や税金、解体の判断に影響を与える要素がたくさんあるんです。

この章では、古家付き土地の正しい意味や中古住宅との違い、そして誤解されやすいポイントをわかりやすく解説していきます。

古家付き土地の定義と特徴

まずは、「古家付き土地」とはどんな状態の不動産を指すのかを整理してみましょう。

専門的な定義を知ることで、売却や購入の判断を誤らないようにすることができます。

古家が「価値ゼロ」とは限らない

古家付き土地とは、簡単に言えば「古い家が建っている状態の土地」のことです。

しかし、よくある誤解が「古家は価値がない」という考え方です。

実際には、古家にも構造・立地・用途次第で価値が残るケースがあります。

たとえば、建物の骨組みがしっかりしていればリフォームやリノベーションに再利用できます。

建築確認が下りる地域であれば「住宅ローンの利用が可能」になる場合もあります。

つまり、「古家=解体前提」と決めつけず、まずは専門家による建物調査を行うことが大切です。

建物部分が査定に与える影響とは?

査定の際、古家があると土地評価が下がると思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。

解体前提であれば「解体費用相当分」が差し引かれます。

ただし、建物を活かせる場合は建物の残存価値がプラスに働くこともあります。

また、建物を残したまま売る「現況渡し」にすることで、解体費用を買主負担にできるケースもあります。

不動産会社によって査定方法が異なるため、複数社の査定を比較することが重要です。

中古住宅との違い

次に、古家付き土地と中古住宅の違いについて見ていきましょう。

どちらも「古い建物がある不動産」という点では共通していますが、取引目的と評価の基準が大きく異なります。

中古住宅=居住前提、古家付き土地=土地取引前提

中古住宅は、基本的に建物の再利用を前提としています。

そのため、室内の状態や設備の動作、修繕履歴などが重視されます。

一方で古家付き土地は、あくまで土地そのものの価値が主な評価対象になります。

建物は「おまけ」や「解体前提」として扱われるケースが多いです。

ただし、建築条件や立地によっては活用の余地もあります。

売主としては、どちらの方針(居住用 or 土地活用)で売るのかを明確にしておくことが大切ですね。

耐用年数と再建築可否の確認ポイント

中古住宅と異なり、古家付き土地では再建築ができるかどうかが大きな判断材料になります。

たとえば、接道義務(建築基準法第43条)を満たしていない場合は、再建築不可物件となり、土地の価値が大幅に下がることがあります。

また、建物の耐用年数を超えている場合、保険や融資の対象外になることもあります。

これらのリスクを避けるためには、事前に役所や専門家へ確認することが不可欠です。

古家付き土地の売却を検討する際は、「建て替え可能か」「再利用できるか」を正しく把握しておきましょう。

古家付き土地 売却のトラブル|よくある7つの事例と防止策

古家付き土地 売却2

古家付き土地を売却・購入するときに、思わぬトラブルが起きるケースは少なくありません。

特に建物の老朽化・境界問題・権利関係・契約内容の誤解などは、後から大きな問題に発展する可能性があります。

ここでは、実際によくある7つの事例をもとに、どうすれば防げるのかを具体的に紹介していきます。

1. 建物の劣化トラブル

古家付き土地の売却で最も多いのが、建物の劣化に関するトラブルです。

特に築年数が古い場合、表面上は問題がなくても内部に損傷が潜んでいることがあります。

事例:引渡し後に雨漏りやシロアリが発覚

引渡しから数週間後、「天井から雨漏りがした」「柱の中にシロアリ被害があった」と買主から連絡が入るケースがあります。

売主としては「現況渡しにしたのだから責任はない」と思いがちです。

しかし、既知の瑕疵(欠陥)を告知していなかった場合、契約不適合責任を問われる可能性があります。

対策:インスペクションと現況写真の保存

売却前に住宅診断(インスペクション)を行い、建物の状態を客観的に把握しておきましょう。

さらに、引渡し時の現況写真や動画を保存しておくと、後から「この傷は引渡し前からあった」などの説明がスムーズにできます。

買主にとっても安心材料となり、トラブルを未然に防ぐことができます。

2. 境界・越境トラブル

境界線の問題は、古家付き土地では特に多いトラブルの一つです。

古い塀や植木、物置などが越境しているケースも珍しくありません。

事例:隣家の塀・樹木が越境していた

売却後に「隣の塀がうちの敷地に入っていた」と判明し、買主から修正工事を求められるケースがあります。

このような問題は、売却前に気づかないことが多いため、契約後のトラブルになりやすいのです。

対策:確定測量+越境合意書の作成

売却前に確定測量を行い、境界を明確にしておくことが最善策です。

越境がある場合は、隣地所有者と「越境合意書」を交わしておきましょう。

これにより、売却後に新しい所有者との間で争いが起こるリスクを大幅に減らすことができます。

3. 再建築不可・法令不適合

古家付き土地の中には、再建築ができない土地が含まれる場合があります。

この条件を知らずに売却や購入を進めてしまうと、大きな損失につながることがあります。

事例:接道2m未満で再建築できない

建築基準法上、建物を建てるためには「幅4m以上の道路に2m以上接している」必要があります。

しかし、古い分譲地などでは、接道が2m未満しかないケースもあります。

この場合、再建築不可物件となり、建て替えができず資産価値が大幅に下がってしまいます。

対策:役所調査・建築士の現地確認

売却前に、必ず役所で接道義務の確認を行いましょう。

また、建築士に現地確認を依頼して、法令に抵触していないかをチェックしてもらうと安心です。

早い段階で調査を行うことで、買主とのトラブルを未然に防ぐことができます。

4. アスベスト・地中埋設物の発見

古家の解体時には、思わぬものが地中から出てくることがあります。

その代表が、アスベストや古い基礎・浄化槽などの埋設物です。

事例:解体中にアスベストが見つかり費用倍増

解体工事の途中でアスベストが発見され、見積もりが倍になったというケースがあります。

売主・買主のどちらが費用を負担するかでもめ、引渡しが遅れることもあります。

対策:事前調査+契約で上限額を明記

事前にアスベスト調査や地中レーダー調査を実施しておくと安心です。

さらに、契約書に「発見時の対応方法」や「費用の上限額」を明記しておくことで、後々の紛争を防げます。

不明点をそのままにせず、契約前にすり合わせをしておきましょう。

5. 相続・権利関係の未整備

相続登記が終わっていない土地や、共有名義のまま放置された不動産は要注意です。

名義人が複数いると、売却手続きが思うように進まないことがあります。

事例:共有名義で売却が進まない

兄弟や親族との共有名義のままになっている土地では、全員の同意がなければ売却できません。

1人でも反対すると契約が成立せず、時間と労力を浪費してしまいます。

対策:相続登記・共有者同意を事前に取得

2024年からは相続登記の義務化が始まりました。

名義を整理しておくことは、売却準備の第一歩です。

また、共有者が複数いる場合は、早めに同意を取り付けておきましょう。

6. 契約不適合責任を巡る争い

「現況渡しだから大丈夫」と思っていたのに、契約後に責任を問われるケースがあります。

これは告知義務を怠った場合に起こりやすいトラブルです。

事例:現況渡しでも瑕疵を隠していた

シロアリ被害や配管の漏水など、売主が知っていたのに告知しなかった場合、現況渡しでも責任を問われます。

「知らなかった」では通用しないケースが多く、法的な争いに発展することもあります。

対策:免責特約+告知書の具体化

契約書には、契約不適合責任の免責条項を明記しておきましょう。

また、告知書にはできる限り詳しく情報を記載します。

これにより、双方の認識を一致させ、後から「聞いていない」といったトラブルを防げます。

7. 残置物・近隣クレーム

古家付き土地では、家具や家電、廃棄物などの残置物が放置されていることもあります。

また、ゴミ屋敷化していた場合、近隣からのクレームにつながることもあります。

事例:家具やゴミが残ったまま引渡し

買主が入居・解体準備をしようとしたところ、部屋中に家具や不用品が残っていたというトラブルが発生。

廃棄費用をめぐって、売主・買主の間で揉めてしまうケースがあります。

対策:残置物撤去条件を契約に明記

契約時に、「残置物を売主が撤去して引き渡す」または「現況のまま引き渡す」と明確にしておきましょう。

不用品撤去費用の負担者を明記することで、後のトラブルを未然に防げます。

不動産会社を通す場合は、撤去業者の手配も依頼しておくとスムーズです。

古家付き土地 売却の「現況渡し」とは?メリット・デメリット徹底比較

古家付き土地 売却3

古家付き土地の売却方法として耳にすることが多いのが現況渡しです。

これは建物を解体せず、今ある状態のまま引き渡す取引形態で、売主の手間を抑えつつ早期に現金化を狙えるのが特徴です。

一方で、買主側のリスクや金融機関の評価など、見落としがちな注意点もあります。

そのため、メリットとデメリットをバランスよく理解しておくことが大切です。

「現況渡し」で売る場合、実際にどんな業者がスピード買取に対応しているのかも気になりますよね。>>> 売りにくい、売りづらい、訳あり物件の買取専門会社の違いを3分で比較

「最短3日で現金化」や「費用ゼロの安心対応」など、目的別に最適な選び方をまとめています。

現況渡しのメリット

ここでは売主目線で「現況渡し」が選ばれる理由を整理します。

スピード売却や手間の軽減に直結するため、相続物件や空き家の整理、資金繰りを急ぐケースで力を発揮します。

また、条件次第では解体費用の先出しを回避でき、売却の初動を軽くできる点も魅力です。

以下で代表的なメリットを具体的に見ていきます。

解体不要でスピード売却が可能

現況渡しは、解体・整地などの事前工事が不要なため、広告開始から契約・引渡しまでのリードタイムを短縮しやすいです。

とくに不動産会社の直接買取を活用すると、数日〜数週間で現金化が可能なケースもあり、資金計画が立てやすくなります。

「とにかく早く売りたい」というニーズに合致する、有効な選択肢です。

手間・費用を抑えて現金化できる

解体費用の手出しや、残置物処分、工事調整の手間を省けるため、売主の実務負担が大幅に軽減されます。

また、売却準備にかかる時間やコストを抑えたうえで現金化までの見通しを早期に立てられるのが利点です。

初めての売却でも、進め方がシンプルになりやすいのが心強いところです。

現況渡しのデメリット

一方で、現況渡しは買主側の不確実性が残るため、価格交渉で不利になったり、融資審査に影響することがあります。

売主が安心して進めるためにも、ここで挙げる注意点は事前に把握しておきましょう。

とくに契約不適合責任の取り扱いは重要で、誤解があると大きなトラブルにつながります。

リスクを理解したうえで、適切な対策をセットにして検討しましょう。

「早く・手間なく売りたい」という方は、現況渡し×買取の相性が抜群です。
>>> 現況渡しでも即日対応できる買取専門会社の比較を見る

売却スピード・費用ゼロ・対応物件の違いを実例つきで整理しています。

瑕疵が残るため買主リスクが高い

建物の劣化や地中埋設物など、見えない不具合が残ったままの引渡しになるため、買主は将来の追加費用を警戒します。

結果として、指値が入りやすくなったり、検討期間が長引く可能性があります。

売主としても、既知の不具合は必ず告知書に明記して、後日の紛争化を防ぐ姿勢が欠かせません。

住宅ローン審査で不利になるケースも

古家が老朽化している場合、担保評価が伸びづらく、買主の住宅ローン審査が不調となることがあります。

ローン見送りが続けば、売却期間が延びて資金計画にも影響します。

仲介の場合は、ローンに強い金融機関の紹介や、スケジュール見直しを不動産会社と連携して検討しましょう。

現況渡しを成功させるコツ

現況渡しでも、準備次第でトラブルを大きく減らし、価格とスケジュールのブレを抑えられます。

ポイントは、情報の見える化契約条項の明文化です。

売主・買主の認識差をなくすことが、安心・短期の成約への近道になります。

現況写真・告知書・特約の3点セットを用意

雨漏りや構造、設備の作動状況など、現況写真・動画を撮影し、告知書に具体的な事実を記載しましょう。

あわせて、残置物・埋設物・越境などの取り扱いを特約で整理して、費用負担や対応フローを明確にします。

この3点セットがあるだけで、買主の不安は大きく下がり、条件交渉もスムーズになります。

「契約不適合責任免責」を明文化する

現況渡し=自動的に免責ではありませんので、契約書に契約不適合責任免責の条項を明記しましょう。

同時に、売主が知る事実は正確に告知することが前提条件です。

免責の範囲・除外・期間を具体化しておくことで、「言った・言わない」の火種を残さず、安心して取引を進められます。

古家付き土地 売却時の解体費用|相場・見積もりの取り方・補助金まで

古家付き土地 売却4

古家付き土地を売却・活用する際、避けて通れないのが解体費用の問題です。

「いくらかかるの?」「どうすれば安くできる?」「補助金はあるの?」と悩む方も多いでしょう。

ここでは、構造別の費用相場から、費用が上がるケース、さらにコストを抑える方法までをわかりやすく整理します。

「解体費が高くて売却を迷っている…」という方も多いでしょう。

そんなときは、解体費不要で現況のまま買い取ってくれる業者という選択肢もあります。
>>> 費用ゼロで売却できる買取る専門会社の仕組みを詳しく見る

構造別の解体費用相場

解体費用は建物の構造・広さ・立地条件によって大きく変わります。

以下の相場はあくまで目安ですが、実際の見積もりを取る際の比較基準として役立ちます。

木造住宅:3〜6万円/坪

木造住宅の解体費用は最も一般的で、1坪あたり3〜6万円程度が目安です。

ただし、住宅密集地や二階建ての場合は、足場設置や廃材搬出のコストが上がる傾向にあります。

解体後の整地費用(1〜2万円/坪)が別途発生する点にも注意しましょう。

鉄骨・RC構造:4〜9万円/坪

鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は、頑丈な構造ゆえに重機や人件費の負担が大きくなります。

一般的には1坪あたり4〜9万円が相場で、RC構造(鉄筋コンクリート造)は最も高額です。

また、分別解体の義務があるため、廃材処理にもコストがかかります。

費用が上がるケース

同じ構造でも、現場環境や建物の状態によって費用が大きく変わります。

ここでは、見積もりが想定より高くなる代表的なケースを紹介します。

残置物が多い・狭小地・アスベスト含有

建物内に家具やゴミなどが残っている場合、撤去費用が別途発生します。

また、古家にアスベストが含まれている場合、法令に基づいた特別処理が必要となり、費用が2〜3倍に跳ね上がることもあります。

狭小地の場合は、手作業が増えるため人件費が高くなりがちです。

搬出経路が狭く重機が入らない

前面道路が狭い、または坂道に面しているなどの立地条件もコストを押し上げます。

重機が入れない場合は、解体を人力で行う必要があり、作業日数・人件費が増加します。

事前に業者へ現地確認を依頼して、搬出経路や近隣状況を把握しておくことが大切です。

解体費用を抑える方法

費用をできるだけ抑えるには、見積もり比較と制度活用、そして売却時の工夫がポイントです。

以下では、実践的に効果のある3つの方法を紹介します。

複数見積+条件提示で比較する

解体業者によって費用差は大きいため、最低でも3社以上から見積もりを取るのが鉄則です。

その際、「残置物は自分で処分する」「整地は不要」など条件を明確に伝えると、より正確な比較ができます。

また、解体業者と直接契約できるマッチングサイトを活用すれば、中間マージンを抑えることも可能です。

自治体の補助金・助成制度を活用

自治体によっては、空き家解体に対して最大50万円〜100万円程度の補助金を支給している場合があります。

対象条件は「危険空き家」「老朽住宅」など自治体によって異なるため、まずは市区町村のホームページで確認しましょう。

補助金の申請には見積書や写真の提出が必要なため、早めの準備がおすすめです。

自治体補助だけでなく、解体費用そのものを負担しない売却ルートもあります。
>>> 解体せずに現況のまま売れる買取専門会社の比較はこちら

「現況渡し」+「専門買取」で手出しゼロにできる具体策を紹介しています。

売却時に「現況渡し」で費用を移転

解体費用を負担したくない場合は、現況渡しで売却する方法もあります。

この場合、買主が解体を行うため、売主は費用を抑えながら現金化できます。

ただし、価格交渉の際にその分の費用を見込まれるため、相場よりやや安くなる点は考慮しましょう。

「売却か解体か」で迷う場合は、専門買取業者に相談し、両方の見積もりを比較するのが最も現実的です。

古家付き土地 売却、現況渡しと更地渡し、どちらが得?目的別の判断基準

古家付き土地 売却6

古家付き土地を売却する際、多くの方が迷うのが「現況渡し」と「更地渡し」のどちらを選ぶべきかという点です。

それぞれにスピード・価格・税金といった異なるメリット・デメリットがあり、目的によって最適な選択が変わります。

この章では、「早く売りたい」「高く売りたい」「税金面で損をしたくない」など、目的別にどちらが得かをわかりやすく整理していきます。

早く現金化したい場合

「相続した空き家を早く手放したい」「老朽化が進んで管理が大変」といったケースでは、スピード重視の売却がポイントです。

そんなときに向いているのが、現況渡し+業者買取の組み合わせです。

「現況渡し+業者買取」を検討するなら、実際にどの会社が信頼できるかを知っておくと安心です。>>> 最短3日で現金化も可能|売りづらい物件の買取専門会社の特徴を比較

自分に合う買取スタイルが3分でわかります。

→ 現況渡し+業者買取が最短ルート

現況渡しは、解体や整地をせずに「今の状態のまま」で売る方法です。

これに不動産の直接買取業者を組み合わせると、最短で数日〜1週間で現金化できることもあります。

仲介と違って買主を探す時間が不要なため、時間のロスを最小限にできます。

また、売却後のトラブル対応(契約不適合責任)も免責できるケースが多く、精神的にも安心です。

「多少安くてもいいから早く売りたい」「管理の手間を減らしたい」方には、最も効率的な選択です。

高く売りたい場合

「少しでも高く売りたい」「買主の自由度を広げたい」という場合は、手間をかけてでも更地渡しを検討する価値があります。

更地化することで、土地本来の価値を最大限に引き出すことができます。

→ 更地化+仲介売却で価格最大化

更地渡しにすれば、買主は解体の手間や費用を気にせずに購入できるため、需要が増え、価格交渉でも有利になりやすいです。

特に人気エリアや再建築可能な土地であれば、相場以上の価格で成約するケースもあります。

また、ハウスメーカーや個人購入者など、幅広い層にアプローチできるのも強みです。

一方で、解体費用(数十万円〜数百万円)が発生するため、費用対効果を見極めることが大切です。

まずは、解体後の想定価格と現況渡し価格を比較し、差額が解体費を上回るかどうかを確認して判断しましょう。

税金・固定資産税の観点

意外と見落とされやすいのが、解体のタイミングによる税金の変化です。

特に固定資産税については、「住宅用地特例」が適用されるかどうかで大きな差が生まれます。

住宅用地特例は解体時期に注意

住宅が建っている土地は、固定資産税が最大6分の1に軽減される住宅用地特例の対象になります。

しかし、建物を解体した時点でこの特例が外れるため、翌年度から固定資産税が6倍近くに跳ね上がることもあります。

そのため、解体をする場合は売却の直前に実施するか、買主側で解体してもらう「現況渡し」を検討するのが賢明です。

税金面を考慮すると、時期や売却方法の選択が資金計画に大きく影響することを覚えておきましょう。

古家付き土地 売却契約トラブルを防ぐための「特約文例」集

古家付き土地 売却10

古家付き土地の売買では、「言った・言わない」「思っていた条件と違う」といった契約トラブルが起きやすいものです。

こうしたトラブルを防ぐには、契約書の特約欄をしっかり活用し、条件を明文化しておくことが何より重要です。

ここでは、実際の現場でよく使われる特約文例を紹介します。契約書作成時の参考にしてください。

現況渡しの免責特約例

現況渡しの場合、建物や土地に何らかの不具合(瑕疵)があっても、売主が責任を問われないようにしておく必要があります。

ただし、これは「何でも免責できる」という意味ではなく、売主が知っている事実は必ず告知しておくことが前提です。

そのうえで、以下のような特約を設けることで、トラブル防止につながります。

「引渡し後に発見された瑕疵については売主は責任を負わない」

もっとも一般的な免責条項です。買主が物件の現況を確認したうえで購入するという合意を明確にします。

この一文を入れることで、後日「雨漏りが見つかった」「シロアリがいた」などのクレームを避けやすくなります。

ただし、売主が故意に瑕疵を隠した場合には免責が無効となるため、正直な告知が前提です。

例文補足:
「本物件は現況有姿での引渡しとし、引渡し後に発見された瑕疵(雨漏り、腐食、シロアリ被害、地中埋設物等)については、売主は一切の責任を負わないものとする。」

解体費用の明記例

古家を解体して更地渡しとする場合、費用の負担範囲を明確にしておかないとトラブルの原因になります。

とくに解体中にアスベストや地中埋設物などが発見された場合、想定外の費用が発生することがあるため、上限額の設定が有効です。

「解体・撤去費用は売主負担とし、上限○万円を超過する場合は双方協議のうえ決定する」

この文言を入れておくことで、売主・買主どちらが追加費用を負担するか明確にできます。

また、想定外の高額請求を防ぎ、契約の透明性を保つうえでも非常に重要な条項です。

例文補足:
「本物件の解体・撤去費用は売主の負担とし、その費用の上限を○○万円とする。上限を超過する場合には、売主・買主協議のうえ、追加費用の負担割合を定めるものとする。」

このように、曖昧な条件を言葉にして残しておくことが、最も確実なトラブル防止策です。

契約内容は、宅建士や専門業者と相談しながら、物件の実情に合わせてカスタマイズしておくと安心です。

FAQ|古家付き土地の売却でよくある疑問7選

古家付き土地 売却8

ここでは、記事本文だけでは判断しづらい「グレーゾーン」や実務で迷いやすいポイントに絞ってお答えします。

古家付き土地 トラブルを避けるための実務的な解像度を高め、決断のモヤモヤを減らすことが目的です。

回答は売主目線を基本に、買主・金融機関・行政の観点も交えて補足します。

Q1. 古家付き土地を「現況渡し」にしても契約後に責任を問われることはありますか?

A. あります。

ポイントは「既知事実の告知」と「免責条項の明文化」です。

現況渡しでも、売主が知っていた雨漏り・シロアリ・越境などを告知しなかった場合は契約不適合責任が成立し得ます。

告知書を具体化し、免責の範囲・除外・期間を特約で固定しておくと紛争リスクを大きく下げられます。

Q2. 解体費用の見積もりが業者ごとに大きく違うのはなぜ?

A. 前提条件の差が主因です。

典型例はアスベスト判定の有無・残置物量・分別処理基準・搬出経路の取り扱いです。

さらに、前面道路幅や近隣養生、再資源化率の設定で処分単価が変動します。

見積依頼時は同一条件表(残置物有無・整地の要否・処分先・養生範囲)を添付し、「リンゴとリンゴ」で比較できる状態を作りましょう。

Q3. 古家を解体せずに売ると税金が上がるって本当?

A. タイミング次第で本当です。

建物があると住宅用地特例が適用され固定資産税が軽減されますが、解体した翌年度から外れるため税額が大幅増になることがあります。

売却直前に解体する場合は、評価基準日との関係で翌年度課税が変わるため解体時期の設計が重要です。

迷う場合は、現況渡し(買主解体)と更地渡しの双方で手取りシミュレーションを作り比較しましょう。

Q4. 「現況渡し」で融資が通らないことはありますか?

A. あります。

老朽家屋は担保評価が伸びにくく、金融機関によっては住宅ローン不可→土地ローン・リフォームローンへの切り替えを求められることがあります。

買主側は「解体・建築資金一体型」や「つなぎ融資」を扱う金融機関を選ぶのが現実的です。

売主側は事前に解体見積・再建築可否資料・現況写真を用意し、審査の不確実性を下げてあげると成約率が上がります。

Q5. 解体時に地中埋設物が見つかったら、費用は誰の負担?

A. デフォルトでは売主負担になりやすいですが、契約で調整可能です。

実務では「発見時の通知期限・調査方法・負担者・上限額・工程変更」を特約で事前合意します。

上限額超過分を協議扱いにする、もしくは定額控除(価格調整)としておくと揉めにくいです。

現況渡しの場合でも、既知の埋設物を黙秘すれば責任を問われる可能性があります。

Q6. 売却前に測量は必ず必要ですか?

A. 法的に必須ではありませんが、実務上は強く推奨です。

越境・面積齟齬・筆界不明があると、融資や決済が止まりやすく価格減額や白紙化に直結します。

最低限の現況測量でも有益ですが、可能なら確定測量+筆界確認書で根本解決を図りましょう。

売却スピード重視なら、測量実施を前提に条件付契約にする手もあります。

Q7. 買取業者と仲介業者、どちらがトラブル少ない?

A. 傾向としては、スピード重視なら買取(プロ相手・免責合意が通りやすい)、価格最大化なら仲介(一般顧客相手・説明責任が重い)です。

いずれも業者選定の精度がトラブル率を左右します。

免許番号・実績・口コミ・査定根拠の開示をチェックし、特約で責任範囲を明確にすれば、方式にかかわらず安心して進められます。

まとめ|古家付き土地の売却は「見える化×契約×判断軸」で失敗を防ぐ

古家付き土地の売却は、想像以上に情報の非対称性が大きい取引です。

つまり、「売主は知っているが、買主は知らない」という状況が多く、そのギャップがトラブルの温床になります。

しかし、現況を正確に見える化し、契約内容を明確にし、自分の目的(早く売る・高く売る・安全に売る)を基準に判断すれば、リスクを最小限にできます。

今回ご紹介したように、特に重要なのは以下の3点です。

  • 現況把握:インスペクションや写真で「見える化」する
  • 契約の明確化:免責条項・費用分担・特約で線を引く
  • 判断軸の明確化:「現況渡し」か「更地渡し」かを目的別に選ぶ

この3つを意識するだけで、売却後に「聞いてなかった」「そんなはずじゃなかった」という後悔を防ぐことができます。

古家付き土地は、たとえ老朽化していても活かし方次第で価値を生み出せる資産です。

「現況渡し」で早く現金化するのか、「更地渡し」で価格を上げるのか、どちらが自分に合うかを冷静に見極めましょう。

そして、最後に一言。

“不安を放置しないこと”が、トラブルを避ける最大のコツです。

不明点や迷いがあれば、早めに専門家や買取業者へ相談し、リスクを一緒に整理してもらいましょう。

それが、「後悔しない古家付き土地の売却」への第一歩です。

「現況渡し」か「更地渡し」かで迷うときは、両方の強みを持つ専門買取業者を比較するのが近道です。>>> 売りづらい・他社で断られた、訳あり物件の買取比較ガイドを読む

自分に最適な売却ルートが、この記事の延長で確認できます。

本記事の法令・制度に関するファクトチェック

この記事では、古家付き土地の売却や取引に関わる法令・制度を、国土交通省・厚生労働省・総務省(税制関係)などの一次情報に基づいて確認しています。

ただし、制度の運用は地域や時期によって若干異なるため、読者が誤解しないように注意すべきポイントを補足としてまとめています。

不動産取引に関する法制度は複雑ですが、この記事では「今のルールを正しく理解する」ために、最新の公的情報をもとに解説しています。安心して参考にしてください。

主要論点ごとの確認結果

補足とニュアンス(読者への注記に推奨)

  • 「固定資産税が6倍に上がる」の表現:趣旨は「住宅用地特例が外れると翌年度の負担が大きく増える」で正しい一方、実際の負担感は評価額等で変動します。記事では「原則的に負担増(各自治体で最終確認)」と注記すると、より正確です。
  • ローン審査・解体費の相場:記事で示した傾向(現況渡しは融資が通りづらい場合がある/解体費の坪単価レンジ等)は一般論です。最終判断は金融機関・地域相場・個別条件で大きく異なるため、「個別確認を推奨」の一言を添えると親切です。
  • アスベスト・地中埋設物の費用分担:事前調査で判明しにくいケースに備え、売買契約の特約で「発見時の負担者・上限額・対応フロー」を明記する運用を推奨(記事記載のとおり)。

参照リンク|公的・一次情報中心)

最終コメント

全体として記事の方向性・根拠は適切です。公開時は、読者の地域差に配慮して「自治体や金融機関で最終確認」を明記すると、より実務的で信頼度の高い記事になります。

訳あり・空き家・再建築不可もあきらめないで。

>> 2社の特徴と違いを詳しく見る

状況に合わせて選べる“二刀流”売却。比較して納得してから決めましょう。

【執筆・監修】
nishimura

「ミユキプロテック」の記事は、代表の 西村(宅地建物取引士・空き家相談士) が監修・執筆。不動産業界で培った30年超の経験をもとに、売却が難しい不動産のリアルな解決策を発信。現場で培った知識と実例を、読者目線でわかりやすく解説。会社ホームページはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました