「古家付き土地を売却したいけど、解体費用も高そうだし、トラブルが怖い…」そんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、古家付き土地の売却で知っておくべき基礎知識・解体費用の相場・現況渡しの注意点まで、初心者でも分かりやすく解説します。
「どんな方法で売却するのがベストなのか」「後でトラブルにならないためには何を準備すればいいのか」を、実際の現場経験をもとに丁寧にご紹介。
読んだあとには、自分の土地をどうすればスムーズに売却できるのか、きっとイメージがつかめるはずです。
古家付き土地の売却で起こりやすいトラブルとその原因
古家付き土地の売却は、「建物は古いけれど土地取引だから大丈夫」と軽く考えると、思わぬ損失につながります。
実際には、建物劣化・境界・契約・有害物質・権利関係など、多層的なリスクが絡み合います。
ここでは、よくあるトラブルを実例ベースで深掘りし、原因と未然防止策、発生時の対処法まで整理します。
★まず用語を30秒で整理(古家付き土地と中古住宅の違い)
本題に入る前に、用語の認識をそろえましょう。
古家付き土地は、築年数の経過等により建物価値がほぼ見込めず、実質的に土地が主役となる取引です。
一方で中古住宅は、リフォーム等による再利用を前提に建物にも価値を見込みます。
見極めポイント(要点だけ)
① 建物の経済的価値(劣化・修繕費の妥当性)。
② 法令適合・再建築性(接道・用途地域等)。
③ 土地の実用性(形状・高低差・インフラ)。
詳細の費用や扱いは、後述の現況渡しの章と解体費用の章で具体的に解説します。
1. 建物の劣化・シロアリ・雨漏り
見た目がきれいでも、屋根・外壁・床下・配管の損傷は隠れがちです。
引渡し後に発覚すると、補修費や損害賠償の請求に発展することがあります。
とくに雨漏り・腐朽・シロアリは“気付きにくく、請求が大きくなりやすい”代表格です。
事例:引渡し後の雨漏りで30〜80万円の補修請求
内見時は気づけなかった天井裏の漏水が、豪雨で顕在化して請求に発展。
売主が過去の補修歴や雨染みを知っていたのに告知していないと、契約不適合責任を問われる可能性があります。
引渡し前に点検口の開放、天井裏や床下の写真記録を残すことが有効です。
予防策:インスペクション+写真・動画の現況記録
第三者の建物状況調査(インスペクション)で、劣化箇所とリスクを可視化します。
報告書の交付と、天候別の外壁・屋根の写真記録で“説明責任”を補完します。
設備(給湯・配管・換気)の作動確認シートを作り、引渡し時に買主へ手交しましょう。
2. 境界未確定・越境問題
「昔からこの塀が境目」は危険です。実測で数センチ違うだけでも、塀・樹木・基礎の越境が発生します。
売買直前の発覚は、価格減額や引渡し延期につながります。
古い測量図のままでは、隣地トラブルの火種が残り続けます。
事例:ブロック塀が3cm越境、撤去費用と日程で紛糾
確定測量で越境が判明し、撤去費・新設費・工程の負担を巡って対立。
結果として引渡しが1か月以上遅延し、仮住まい費用の負担問題が生じました。
売主・隣地所有者・買主の合意書作成で、負担と期限を明確化する必要があります。
予防策:境界確定測量+越境合意書(覚書)
土地家屋調査士による境界確定測量を実施し、境界標と図面で証拠化します。
既存越境は、是正(撤去)か存続合意(使用承諾・期限付き)かを事前に調整。
合意内容は書面化し、売買契約の特約へ反映させましょう。
3. 契約不適合責任・告知義務
「現況渡し=責任ゼロ」ではありません。売主が知っていた事実の不告知は、免責特約があっても無効になり得ます。
雨漏り・シロアリ・設備故障・越境・土壌汚染の既知情報は、必ず告知が必要です。
曖昧な記載や口頭説明のみは、後日の紛争リスクを高めます。
事例:過去の雨染みを“軽微”と記載→重大瑕疵と判断
売主が天井補修歴を把握していたのに、詳細を告知書に記載せずトラブル化。
「軽微」との表現が争点となり、補修費+調査費の負担が問題になりました。
補修時期・範囲・業者名・見積書や写真など、客観資料が防御材料になります。
予防策:告知書の具体化+免責特約の範囲明記
過去の不具合は「事実ベース」で詳細に記載し、補修の有無・再発状況も明確化します。
免責特約は対象範囲・期間・除外条項(売主が知っていた事実の不告知は免責しない等)を明記。
契約書・重要事項説明書・写真添付で、説明の一貫性を担保しましょう。
4. 有害物質・アスベスト・地中埋設物
1970〜80年代の建材にはアスベストが含まれている場合があり、除去・処分は専門対応が必須です。
また、地中に古い基礎・浄化槽・瓦礫・井戸などの埋設物が見つかると、撤去費用が追加発生します。
見積りが甘いと、想定外のコスト増で手取りを圧迫します。
事例:解体時に含有建材発覚、追加で数十万円の費用
屋根材の一部にアスベスト含有が見つかり、飛散防止養生・適正処分でコスト上振れ。
さらに庭の地中から古基礎が出て撤去費用が加算され、売主の想定を超える負担となりました。
事前調査を省略したことが原因で、スケジュールも延伸しました。
予防策:含有建材調査+地中リスク条項の特約化
解体前に、対象建材のアスベスト含有調査を行い、見積りに反映させます。
地中埋設物は「発見時の負担主体・上限額・対応フロー」を契約特約で明記。
可能なら現地試掘や、旧図面・空撮データの確認でリスクを下げましょう。
5. 所有権・相続・共有トラブル
名義が被相続人のまま・共有者の不同意・抵当権の抹消忘れなど、権利の詰めが甘いと売却は止まります。
相続関連は判断者が多く、意思統一に時間がかかるのが常です。
準備を怠ると、買主が離脱して機会損失になります。
事例:相続登記が未了で売買契約が先送りに
名義変更が終わらず、買主のローン期限に間に合わない事態に。
結果的に契約が白紙化し、再販売で価格が下がってしまいました。
初動で法的手続を進めていれば回避できたケースです。
予防策:相続登記(2024年4月義務化)+同意取得の先行
相続が絡む場合は、まず相続登記と法定相続情報の整備を実施。
共有の場合は、早期に全員の売却同意を取り、委任状や印鑑証明の取得スケジュールを共有します。
抵当権・差押え等がある場合は、抹消・解除の段取りを売却前に確定させましょう。
まずやるべき“3つの即効アクション”
トラブルは「わからないまま進める」ことで大きくなります。次の3つから着手しましょう。
① 建物の第三者調査(インスペクション)+写真・動画記録。
② 境界確定測量と、越境の有無の確認・覚書作成。
③ 告知事項の棚卸しと、契約書の免責・埋設物・アスベスト等の特約整備。
現況渡しの具体費用や進め方を知りたい方は、次章の 「解体費用の相場と注意点」、
「売却方法と成功のポイント」をご覧ください。
古家付き土地の「現況渡し」とは?メリット・デメリットを徹底比較
古家付き土地の売却方法としてよく聞く「現況渡し」。
これは、建物を解体せず、そのままの状態で売却する方法です。
売主にとっては手間や費用を抑えられる反面、買主側には注意が必要なポイントもあります。
ここでは、双方のメリット・デメリットをわかりやすく整理していきます。
現況渡しのメリット(売主側)
まずは、売主にとっての大きなメリットを見ていきましょう。
「手間をかけずに売りたい」「解体費用をかけたくない」という人にとって、現況渡しは非常に有効な方法です。
ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
1. 解体費用の節約
古家を解体すると、木造であっても30万円~150万円ほどの解体費用が発生します。
現況渡しであれば、この費用を支払う必要がなく、その分だけ手取り額が増えるという大きな利点があります。
特に、再建築不可や狭小地など、解体が難しい物件では「現況のまま売却する」方が現実的です。
2. 早期売却・手続き簡略化
現況渡しでは、解体や整地などの作業を行わないため、売却までの流れが非常にスムーズです。
「今すぐに現金化したい」「相続した家を放置しておけない」という人にとって、スピード売却が叶う手段といえます。
なので、スピード重視の売却を希望する方にはぴったりの選択肢です
3. 固定資産税の軽減維持
古家を残したままにすることで、住宅用地特例が適用されます。
この特例により、固定資産税は最大で6分の1まで軽減され、都市計画税も3分の1に抑えられます。
一方、更地にしてしまうとこの軽減措置が外れるため、税金が6倍に上がるリスクがある点は見逃せません。
現況渡しのデメリット(買主側)
次に、買主側の立場から見たデメリットを整理してみましょう。
現況渡しの物件は、見た目以上にリスクが潜んでいることがあります。
ここでは、購入前に知っておくべき注意点を3つ紹介します。
1. 瑕疵リスクを引き継ぐ可能性
古家付き土地を現況渡しで購入する場合、建物内部に雨漏り・腐食・シロアリなどの欠陥がある可能性があります。
これらは購入後に発覚しても、基本的には買主負担となるケースが多いです。
そのため、購入前にインスペクション(建物診断)を行ってリスクを把握しておくことが重要です。
2. ローン審査に通りにくい場合がある
老朽化した建物が残っている物件では、金融機関が担保価値を低く見積もる傾向があります。
特に再建築不可の土地や築50年以上の家屋では、住宅ローンの審査が通らないこともあります。
この場合は、リフォームローンや土地購入ローンなど、別の融資方法を検討する必要があります。
3. 解体・再建築コストが自己負担になる
現況渡しの物件を購入した場合、解体費用は買主が負担することになります。
解体後に建て替えをする場合、建築確認や地盤改良などの費用も重なり、想定より出費が膨らむこともあります。
購入時には、解体から再建築までの総費用を事前にシミュレーションしておきましょう。
現況渡しでトラブルを防ぐための注意点
現況渡しは便利な一方で、契約内容を曖昧にしてしまうと後々のトラブルにつながります。
ここでは、売主・買主双方が安全に取引を進めるためのポイントを紹介します。
事前準備をしておくだけで、トラブルのほとんどは未然に防ぐことができます。
契約書に免責特約を明記する
「現況渡し」と明記していても、免責の範囲が曖昧だとトラブルになります。
契約書には「売主は建物の瑕疵に関して一切の責任を負わない」など、免責特約を明確に記載しておきましょう。
特に、売主が個人の場合はこの条項がないと損害賠償を求められる可能性があります。
事前に建物状況調査・写真記録を残す
現況を証明するためには、建物状況調査(インスペクション)や写真記録が非常に有効です。
後で「こんな劣化は知らなかった」と言われても、証拠があればスムーズに説明できます。
スマートフォンの写真でも構いませんが、可能であれば専門家に依頼して調査報告書を作成しておくと安心です。
専門家(司法書士・不動産会社)に確認してもらう
契約内容や登記手続き、免責の範囲などは、専門家のチェックを受けておくのが確実です。
不動産会社や司法書士、宅地建物取引士などに確認してもらうことで、リスクを最小限に抑えられます。
特に、初めて古家付き土地を売却する人は、専門家のサポートを受けることが安心への近道です。
専門家が法的に守ってくれるように、専門業者は実務であなたを守ってくれます。
訳あり物件をスピード現金化できるサービス比較で、リスク回避の選択肢を増やしておきましょう。
古家付き土地の解体費用はいくら?相場と注意点
古家付き土地を「更地渡し」で売却する場合、避けて通れないのが解体費用です。
建物の構造や敷地条件によって費用は大きく異なり、予算を見誤ると売却後の手取りが減ってしまうこともあります。
ここでは、構造別の相場から費用が高くなる要因、そして少しでもコストを抑えるための具体的な工夫までをわかりやすく解説します。
構造別の解体費用相場
解体費用は、建物の構造や面積によって大きく変動します。
木造・鉄骨・RC造(鉄筋コンクリート造)では必要な重機や作業工程が異なるため、単価に幅があるのが特徴です。
以下に、おおよその構造別の坪単価相場をまとめます。
木造住宅:3〜6万円/坪
もっとも一般的な構造で、解体作業も比較的容易です。
ただし、廃材の分別や周辺環境への配慮が必要な場合は、費用が上限に近づくことがあります。
延床30坪の木造住宅であれば、おおむね90〜180万円前後が目安です。
鉄骨造:4〜8万円/坪
鉄骨造は解体時に切断作業や重機の使用が必要となるため、木造よりも費用が高くなります。
また、建物の高さや鉄骨の厚みによっては、安全対策費が追加されることもあります。
30坪の鉄骨造であれば、おおむね120〜240万円が相場です。
RC造(鉄筋コンクリート):5〜9万円/坪
最も頑丈な構造であるRC造は、解体に時間とコストがかかります。
コンクリートを砕くための重機や人件費が高くつくため、他構造よりも割高です。
特に地下室付きの建物は、追加費用が数十万円発生するケースもあります。
費用が高くなる主な要因
同じ構造でも、解体現場の条件によっては費用が大きく変動します。
ここでは、見積もりが高くなりやすい主な原因を3つ紹介します。
事前に把握しておくことで、予算オーバーを防ぐことができます。
アスベスト・残置物の処理
1970〜80年代に建てられた家では、アスベストを含む建材が使用されていることがあります。
発見された場合は、専門業者による除去作業が必要で、費用が数十万円上乗せされることも。
また、家具や家電など残置物が多いと、その処分費用も加算されます。
重機搬入が難しい狭小地・旗竿地
重機が入れないような細い路地や旗竿地では、人力作業で解体を進める必要があります。
そのため人件費が増え、作業日数も長くなるため、通常より2〜3割ほど高くなることがあります。
特に都心部や密集地では、この条件に該当するケースが多いです。
地中埋設物・庭木・塀の撤去
解体後に判明することが多いのが、地中埋設物です。
昔の建物の基礎や浄化槽、瓦などが地中に残っていると、撤去費用が発生します。
また、庭石や塀、植栽が多い場合も、処分費が増える原因になります。
解体費用を抑えるコツ
最後に、解体費用を少しでも安く抑えるためのコツを紹介します。
見積もりを工夫したり、補助金を活用したりすることで、思っている以上に負担を減らすことができます。
実践的な方法を3つ見ていきましょう。
複数業者から見積もりを取る
1社だけの見積もりに頼ると、相場より高い金額を提示されることがあります。
最低でも3社程度に依頼し、見積もりの内訳や処分方法を比較しましょう。
最近では、解体業者一括見積サイトを利用することで、効率的に比較できます。
行政の補助金・空き家対策助成を確認する
自治体によっては、老朽化した建物の解体に対して補助金制度を設けています。
補助金額は10万〜50万円前後が多く、申請には現地調査や書類提出が必要です。
市区町村の「空き家対策課」やホームページで確認しておくと良いでしょう。
買主が解体費を負担する「現況渡し」を検討
もし解体費の負担が難しい場合は、現況渡しでの売却を検討するのも一つの方法です。
買主が自分で解体・再建築を行うケースでは、売主側の費用負担を大幅に減らせます。
この方法は特に、相続した古家付き土地を手早く処分したい方におすすめです。
古家付き土地の売却方法と成功のポイント
古家付き土地を売却する場合、基本的な方法は「仲介」か「買取」の2つです。
それぞれにメリットとデメリットがあり、目的や状況によって最適な選択が変わります。
この章では、2つの売却方法の特徴を比較しながら、成功させるためのポイントを丁寧に解説していきます。
不動産仲介による売却
まずは、不動産会社に依頼して一般市場で買主を探す「仲介売却」から見ていきましょう。
時間はかかりますが、条件が合えば高値で売れる可能性があるのが魅力です。
ただし、売却までの流れや注意点を理解しておかないと、思わぬ手間や費用がかかることもあります。
相場より高い査定の落とし穴は「不動産一括査定のトラブル多発!高額査定の裏にある危険とは?」で確認できます。
特徴:市場価格で高く売れる可能性
仲介売却では、不動産会社が広告やポータルサイトを活用し、一般の買主を探してくれます。
需要のあるエリアや条件が良い土地なら、市場価格に近い金額で売却できることもあります。
時間をかけてでも「できるだけ高く売りたい」という人には向いている方法です。
デメリット:売却期間が長くなる傾向
買主が見つかるまでの期間は平均で3〜6か月ほどかかるといわれています。
古家付き土地の場合、建物の老朽化や再建築の制限があると、購入希望者が限られるためさらに時間がかかることも。
急ぎの売却には不向きですが、時間に余裕がある人には検討価値があります。
注意点:修繕や解体を求められる場合がある
買主がマイホーム建築を目的に購入する場合、「古家を解体してから引き渡してほしい」と求められるケースがあります。
その場合、解体費用は売主負担となるため、手取り額が減るリスクがあります。
事前に解体の有無を明確にし、見積もりを取っておくことが大切です。
不動産会社による買取
次に紹介するのが、不動産会社が直接買い取ってくれる「買取方式」です。
仲介と異なり、買主を探す時間が不要なため、最短で数日〜数週間で現金化が可能です。
相続物件や管理が難しい空き家など、「早く手放したい」人にとって理想的な方法といえます。
特徴:現況のままでも即現金化できる
不動産会社が直接買い取るため、建物の老朽化や残置物があっても問題ありません。
修繕や清掃をしなくても売れるので、手間をかけずにスピード売却できます。
現況渡しが可能なため、解体費や手続きの負担も最小限で済みます。
メリット:契約不適合責任が免責されやすい
一般の買主と違い、プロである不動産会社が買い取るため、契約不適合責任が免責されるケースがほとんどです。
つまり、売却後に雨漏りや劣化などが見つかっても、修繕や賠償の責任を負うことはありません。
特に、建物の状態が悪い古家付き土地では大きな安心材料となります。
デメリット:仲介より売却価格が下がる
不動産会社は購入後にリフォームや再販売を行うため、仕入れ価格が抑えられる傾向があります。
そのため、仲介に比べると売却額は10〜20%ほど低くなるのが一般的です。
ただし、「早く確実に売りたい」という場合には、そのスピードと確実性が大きなメリットとなります。
項目 | 仲介 | 買取 |
---|---|---|
売却価格 | 市場価格に近い/高値期待 | 仲介より10〜20%低い傾向 |
スピード | 3〜6か月が目安 | 数日〜数週間で現金化 |
手間 | 内見対応・条件調整あり | 現況のまま手続き簡略 |
責任範囲 | 契約不適合の対象になりやすい | プロ買取で免責されやすい |
複数査定で比較検討する重要性
どの方法を選ぶにしても、まず行うべきは複数業者への査定依頼です。
1社だけでは正しい相場がわからず、査定額が高すぎたり低すぎたりすることがあります。
複数の意見を比較することで、自分の土地に最も合った売却プランが見えてきます。
査定額だけでなく「対応の誠実さ」も確認
価格だけで判断せず、担当者の説明の丁寧さや対応スピードも重視しましょう。
誠実な担当者は、査定根拠を明確に説明してくれます。
不明点をそのままにせず、質問にしっかり答えてくれる業者を選ぶことが重要です。
地元密着型の買取業者を優先
地域に詳しい業者は、地価や再建築の制限などを熟知しています。
そのため、全国対応の大手よりも、地域特有の条件を加味した現実的な査定をしてくれる傾向があります。
「地元密着型+実績のある会社」を選ぶと、スムーズな売却につながります。
査定書は交渉材料として保管
査定書はただの見積もりではなく、今後の交渉に使える重要な資料です。
他社の査定結果をもとに、「この会社ではここまで提示された」と交渉することで、価格アップを狙えることもあります。
最終的にどの業者を選ぶかは、金額と信頼性の両方で判断しましょう。
「不動産一括査定のトラブル多発!高額査定の裏にある危険とは?」で安全な査定の活用法を解説しています。
トラブルを防ぐための最終チェックリスト
古家付き土地の売却では、ちょっとした確認漏れが思わぬトラブルを招くことがあります。
契約不備や登記ミスなどは、売却後に修正するのが難しいため、事前チェックがとても大切です。
ここでは、取引を安全に進めるために、売却前に確認しておくべきポイントを整理しました。
✅ 登記・権利関係を整理しておく
まず最初に確認すべきは、登記情報と所有権です。
名義が亡くなった親のまま、または複数人の共有名義のままになっていると、売却手続きが進められません。
相続登記を完了させ、共有者全員の同意を得てから売却に進むことが重要です。
登記情報は法務局で取得できる「登記事項証明書」で確認できます。
✅ 境界確定・測量図を準備
隣地との境界が不明確なまま売却を進めると、越境トラブルに発展することがあります。
古い土地では、昔の測量図が現況とずれていることも珍しくありません。
売却前に土地家屋調査士へ依頼し、境界確定測量図を作成しておくと、買主からの信頼も高まります。
特に、塀・樹木・基礎部分の越境がないかをしっかりチェックしましょう。
✅ アスベスト・劣化箇所の事前調査
築年数が古い家屋では、アスベストや劣化箇所が残っている可能性があります。
解体時や売却後に発覚すると、追加費用や責任問題に発展することも。
インスペクション(建物状況調査)を活用して、リスクを明確にしておくと安心です。
また、劣化箇所の写真を残しておくことで、現況渡しの際のトラブル防止にも役立ちます。
✅ 契約書に免責・現況渡しを明記
「現況渡しで売却するつもりだったのに、修繕を求められた」──そんな誤解を防ぐためには、契約書への明記が不可欠です。
契約不適合責任の範囲、免責事項、現況渡しの条件などは、曖昧にせず具体的に記載しましょう。
特に個人間売買では、特約条項の有無がトラブル回避の鍵になります。
✅ 専門家(司法書士・宅建士)に最終確認
最後に、契約内容や登記、測量結果などについて、専門家の確認を受けましょう。
司法書士は登記や相続手続き、不動産会社の宅地建物取引士は契約内容の確認に強みがあります。
特に、初めての売却や複雑な権利関係を含む場合は、専門家のサポートを受けることで安心して取引が進められます。
自分で全て判断しようとせず、プロと一緒に最終チェックを行うのが成功のコツです。
専門家が法的に守ってくれるように、専門業者は実務であなたを守ってくれます。
訳あり物件をスピード現金化できるサービス比較で、リスク回避の選択肢を増やしておきましょう。
よくある質問
こでは、売主・買主の双方から寄せられる代表的な質問をまとめました。事
前に知っておくことで、余計な出費や誤解を防ぎ、スムーズな取引につなげることができます。
Q1. 古家付き土地は現況渡しでも売れますか?
はい。買主が解体を前提とするケースでは現況渡しでの売却が一般的です。契約書に免責特約や埋設物の扱いを明記しましょう。
Q2. 解体費用は誰が負担しますか?
原則は取り決め次第です。更地渡しなら売主負担、現況渡しなら買主負担が多いです。契約前に見積と負担範囲を明確化します。
Q3. トラブル防止の最初の一手は?
インスペクション、境界確定測量、告知事項の棚卸しと特約整備の3点が即効性の高い対策です。
まとめ|古家付き土地の売却は「現況・費用・契約」の3要素を意識しよう
古家付き土地の売却は、建物の老朽化や法的制約など、他の不動産よりも注意点が多いのが実情です。
しかし、事前に準備を整え、リスクを把握した上で進めれば、スムーズかつ納得のいく売却が十分に可能です。
最後に、古家付き土地を売る際に意識したい「3つの要素」を改めて整理しておきましょう。
① トラブル防止の準備
売却前に登記や境界、建物状況を確認しておくことが大切です。
測量図やインスペクション結果を事前に整えておくことで、契約時の不安やトラブルを回避できます。
② 現況渡しと更地渡しの比較
解体費用の負担や固定資産税の違いを理解し、どちらの売却方法が自分に合っているかを見極めましょう。
「現況渡し」であれば費用を抑えられ、「更地渡し」であれば買主が見つかりやすいという特徴があります。
③ 信頼できる業者選び
査定額だけで判断せず、対応の丁寧さや実績も重視しましょう。
特に古家付き土地は状態が複雑なため、経験豊富な地元密着型の不動産会社や買取専門業者に相談するのが成功の近道です。
古家付き土地は、「手放したいけどどうすればいいか分からない」と悩む方が多い不動産です。
しかし、現況・費用・契約の3つを意識して行動すれば、無理なく安全に進めることができます。
焦らず、丁寧に準備することが、あなたの不動産を最良の形で手放す第一歩です。
【執筆・監修】 |
「ミユキプロテック」の記事は、代表の 西村美彦(宅地建物取引士・空き家相談士) が監修・執筆。 |
コメント